こんにちは!「本町ブログ」ライター・武内みどりです。
さて11月は、船場エリアでは「船場博覧会」という催し物が開かれます。

能や寄席などの公演、コンサートのオンライン配信などイベント盛りだくさんなのですが、今回私は「船場近代建築ツアー」というプログラムに参加してきました。

芝川ビルや浪花教会、生駒ビルヂングなど、このエリアでお勤めの人や住んでる人には馴染み深い建築ばかり。
芝川ビルからスタートです!

事前申し込みが必要ですが、毎年人気のイベント。
例年定員は20名だそうですが、今年は半分の10名。倍率は5倍くらいだったとか。
案内は、建築家で近畿大学建築学部准教授の髙岡伸一先生です。
見学した建築物は10カ所以上ですが、主な建物をご紹介しますね。

三休橋筋にある「浪花教会」。
設計は関学や神戸女学院などの建築でも有名なヴォーリズです。

となりは「オペラ・ドメーヌ高麗橋」。
今は結婚式場ですが、もともとは保険会社の建物だったそう。
設計は、東京駅や中之島の中央公会堂の設計でも有名な辰野金吾。そのテイストがこの建物にも色濃く出てます。

こんな感じで歩いてめぐります。
神農祭の日だったので、道修町はお祭りの飾りで彩られていました。

ビルだけでなく住宅も。
こちらは「旧小西家住宅」、接着剤のボンドの会社「コニシ」創業家の町家。
国の重要文化財ですが、今も関連会社が事務所として使っているそうです。

生駒ビルヂング。

外壁はスクラッチタイルという、ひっかき傷をつけたタイル。
タイルの表面や組み方の凹凸が独特の味わいになっています。

それにしても近代建築って、引きで見ても寄りで見てもどちらも美しいですよね。
存在感ある外観はもちろん、細部に宿る繊細な美しさ。
両方の美意識が詰まっていて、近寄ったり遠ざかったり、ずっと見てても飽きません。

青山ビル。
1階にはオムライスで有名な北極星が7月にオープン。
新陳代謝が繰り返されている街の建築、まさに生きています。

堺筋に面して立つ「三井住友銀行中央・天満橋支店」。
もともとは「三井銀行大阪支店」。(ちなみに淀屋橋にある、黄色っぽい「三井住友銀行大阪本店ビル」は元・住友銀行)。
休日のツアーでしたが、船場博覧会のために内部を特別公開してました。
撮影禁止だったのですが、大理石造りで高い天井のフロアは壮麗そのもの。
平日は通常営業しているので、興味がある人はぜひ見てほしい!威風堂々たる内観です。

向かいにはスイーツ店の「五感」。こちらも、外観だけでなく内装も素敵なお店で、カフェを併設しています。

堺筋本町を北上、「北浜レトロ」を見て、

大阪取引所で解散。
約1時間半のツアーでした!
今回のツアーは、髙岡先生のほか、船場博覧会の事務局長の方も来られていました。
髙岡先生は研究だけでなく、このエリアの建物の改修をいくつも手掛けているので解説が具体的。
事務局長の方もこのエリアの生き字引のような方で、興味深いエピソードをたくさん聞けました。

私はこのエリアに仕事場を持っているのですが、ここで働いてる人や住んでる人に、ぜひおすすめしたいツアー。
ふだん、芝川ビルのカフェでコーヒー飲んだり、先ほどの三井住友銀行のATMでお金をおろしたりしてるのですが、日頃なじみのある建物を深く知るとより愛着が湧きます。
街も建造物も生きていて、その中で自分も生きてるんだなーとしみじみ感じたイベントでした。

「ここは何の建物だったんだろ?」とか「この彫刻の意味は?」とか思ってた疑問が解決できて個人的にスッキリしました!
建築が持つメッセージを読み解く楽しみが味わえたツアー。興味のある方はぜひ来年参加してみてくださいね!
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ということで、今日の記事は以上です。
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